◆aiko曲に登場する電話たち◆
 *発売の時系列順。一行区切りはアルバムごと。
 *ここの一覧ではメジャーで発表されたものに限り、インディーズは含まない。
 *電話、および電話に関係するモノが登場するワンフレーズを抜き出している。


・I’m feeling blue(あたし一方通行の電話も今日で5回目)
・二時頃(真夜中に始まる電話)

・アイツを振り向かせる方法(ダイヤル回して)
・悪口(夜の長電話)
・Power of Love(寂しくなった時電話するわ)

・脱出(用件がないと電話しちゃいけない?)

・おやすみなさい(二人を繋ぐ一本の波) ※注1
・あなたの唄(今はもう受話器持つ手すら)

・バスタブ(すぐ電話して謝ろう)
・彼の落書き(明日こそは電話のベルが)
・白い服黒い服(こんな時間に掛けてくるのはあなたしかいない)
・天の川(電話してね 今夜も)

・明日もいつも通りに(受話器のままでさようなら…)
・ビードロの夜(受話器じゃ気付かれなくていい)

・蝶の羽飾り(決まった時間にいつも鳴ってた電話)
・こんぺいとう(突然かけてくる電話)
・まつげ(電話の声 誰よりも愛しい)

・リップ(偶然にあなたが電話をくれるから)
・横顔(電話が鳴る度に横顔が浮かぶのは)
・星電話(今繋いだ星電話)

・水とシャンパン(電話の声は夜を暗くする)
・milk(暗闇でいじる電話のライト) ※注2
・Do you think about me?(これじゃ電話も楽しくないよ)

・距離(夜の電話)
・大切な人(久しぶりに電話くれたから)

・4秒(こんな時間まで電話してごめんなさい) ※注3


※注1:ライナーノーツやインタビューなどで電話の曲と明言されながら、この曲のみ表現が抽象的である。(ただし、I’m feeling blueにて電波を「ナミ」と歌っている)
※注2:通話をする為に電話が登場するわけではない。また、おそらく初となる携帯電話の描写。
※注3:このフレーズに限らず、曲自体が電話での会話をモチーフとした曲である(なお「二時頃」も同様)


 以上、全二十六曲である(見落としが無ければ)
 今回、全aikoファンお待ちかね、二年ぶりのニューアルバム「May Dream」が発売するにあたって「電話曲あるかな! 絶対あるだろうな!」とワクワクしていたのであるが、従来のアルバムよりオリジナル曲が少ない(八曲)と言うのもあるが、それにしたって一曲もないと言うことが、自分で思っていた以上に結構残念であった。
 がしかし、アルバムの顔となる一曲目「何時何分」には「夜の交信」と言う表現がある。「何時何分」自体、オリコンのウェブインタビューによると今年の二月に作られた曲らしくかなり新しい曲である。となると、この「交信」とは電話ではなくメール、でもなくひょっとしなくともLINEでの交流を指しているのかもしれない。少し前に述べた「言葉を変えて使う可能性」とはこのことである。aiko自身こよなく電話を愛し、「May Dream」の前に「4秒」と言う名曲を発表しているので、私個人としてはこれから先も電話表現を愛用して欲しいのだが、果たしてどうなるか少し不安である。第一、aiko自身が自他ともに認める昼夜逆転生活人間なので(白い服黒い服の「そしてこの時間捕まるのもあたししかいない」がまさにそのことを表している)規則正しい生活をしている一般人との電話に向いていないのもある。
 ところで、一行区切りはアルバムの期間ごとに挟んだのだが、その期間ごとの曲数をちょっと見ていきたい。

 ・あした ~ 小さな丸い好日:2曲
 ・花火 ~ 桜の木の下:3曲
 ・ボーイフレンド ~ 夏服:1曲
 ・おやすみなさい ~ 秋そばにいるよ:2曲
 ・蝶々結び ~ 暁のラブレター:4曲
 ・かばん ~ 夢の中のまっすぐな道:2曲
 ・キラキラ ~ 彼女:3曲
 ・シアワセ ~ 秘密:3曲
 ・KissHug ~ BABY:3曲
 ・向かいあわせ ~ 時のシルエット:0曲
 ・Loveletter ~ 泡のような愛だった:2曲
 ・あたしの向こう ~ May Dream:1曲

 平均すると一アルバム期間につき大体二曲ほどの登場具合となる。時のシルエットのタームに一曲も現れなかったのが不思議だ。どうしたaiko? と揺さぶりたい気持ちもある。そうかと思えば暁のラブレターの期間など四曲も現れている。



 しかし(グラフにするまでもないんだけども)見てわかる通り、初期に比べると電話の表現は時シルタームの0曲を底値として、やはり減少傾向にあるらしい。電話表現愛好者として是非とも次のアルバムまでに平均値を上回って欲しいところである。先行きは不安であるが期待もしたい。

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